気づくとデスク周りに書類や文房具、ケーブル、小物が山積みになっていて、「片づけなきゃ」と思いながらも、仕事や勉強を優先してしまう。いざ片づけようとしても、何から手をつければよいのか分からず、数日たつとまた元通りのごちゃごちゃしたデスクに戻ってしまう。そんな悩みを抱えて「デスク周りの収納術」を検索している人は少なくありません。
在宅ワークやリモート授業が増えたことで、自宅のデスク周りは「仕事・勉強・趣味・家事のメモ」など、さまざまな役割を抱え込みやすくなりました。その結果、収納が追いつかず、視界に常にモノが入り、集中力が落ちてしまうケースが目立ちます。単に見た目の問題だけでなく、「必要な書類がすぐ見つからない」「PC周りのケーブルが絡まる」「文房具を探して時間をムダにしてしまう」といった実務的なロスも生まれやすくなります。
この記事では、デスク周りの収納術をテーマに、今の環境の問題点を整理しながら、今日から実践できる具体的な収納アイデアや習慣づくりのコツを詳しく解説します。
この記事の結論を先にまとめると、ポイントは次の3つです。
一つ目に、デスク周りの収納術は「収納グッズを増やすこと」よりも、よく使うモノ・たまに使うモノ・ほとんど使わないモノを分け、動線に合わせて置き場所を決めることが重要です。
二つ目に、引き出しや棚を埋める前に、デスク上・手の届く範囲・デスクから離れた場所という「ゾーン分け」を行うことで、散らかりにくい収納レイアウトを作りやすくなります。
三つ目に、収納術は一度整えて終わりではなく、「1日1分のリセット」「週1回の見直し」といった小さなルーティンとセットで考えることで、無理なくきれいな状態をキープしやすくなります。
この記事を読み終えるころには、「自分のデスク周りのどこが問題なのか」「どんな収納アイテム・収納術が合いそうか」「片づけてもリバウンドしてしまう原因は何か」を具体的にイメージできるはずです。
この記事は、在宅ワーク環境や片づけ・ライフスタイル改善に関する取材・執筆経験を持つライターが、整理収納やワークスペース設計に関する一般的な知見や実際のユーザー事例をもとに、非医療・非専門家による一般的な情報として解説しています。心身の不調や発達特性など個々の事情に踏み込んだ診断・治療・カウンセリングを行うものではありません。生活上の困りごとが強い場合や、自力で対処するのが難しいと感じる場合は、医療機関や専門家への相談を検討してください。
デスク周りの収納術がうまくいかない原因を整理する
「とりあえず置き」が積み重なる導線の問題
デスク周りの収納術がうまくいかない一つ目の原因は、「とりあえずここに置いておこう」が積み重なってしまう導線の問題です。仕事から帰宅したときの書類や郵便物、コンビニでもらったレシートや領収書、使い終わったマグカップなど、本来なら別の場所に戻すべきものが、習慣としてデスク周りに集まりやすくなっています。
この「とりあえず置き」が生まれる背景には、本来戻すべき収納場所が遠かったり、しまう動作がめんどうだったりする理由があります。例えば、ファイルボックスがデスクから離れた棚の上にあると、立ち上がらないと片づけられないため、「後でまとめてやろう」と一時的にデスク上に置きがちです。デスク周りの収納術を考えるときは、まずこの「とりあえず置き」がどこで起こりやすいかを観察することが出発点になります。
モノの数に対して収納スペースの設計が追いついていない
二つ目の原因は、モノの量に対して収納スペースの設計が追いついていないことです。パソコン、モニター、キーボード、マウス、ノート、手帳、文房具、ガジェット、ケーブル、充電器、書類……と、デスク周りに必要なモノは年々増え続けています。一方で、収納は引き出しが1〜2段のみ、棚も少ないというケースも珍しくありません。
収納術というと「片づけ方」をイメージしがちですが、そもそも「置き場所が決められるだけのスペース」がなければ、いくら頑張っても散らかり続けます。デスク周りの収納を見直すときは、モノの総量をざっくり把握し、「今の収納量が適切かどうか」という視点も欠かせません。
収納アイテムがバラバラで、ルールが共有されていない
三つ目の原因は、収納アイテムがバラバラで、本人の中でも片づけのルールが共有されていないことです。サイズの違う机上ラックや引き出しボックス、ペン立てが増えすぎると、どこに何を入れたか分からなくなり、結局デスク上に出しっぱなしになってしまいます。
また、家族や同居人とワークスペースを共有している場合は、「どの文房具を誰が使うのか」「どこまでは共用スペースか」が曖昧だと、デスク周りの収納術が機能しづらくなります。収納術を成功させるには、収納アイテムそのものの統一感だけでなく、「どこに何をしまうか」というルールを目に見える形にすることも大切です。
デスク周りの収納術を考える前にやるべき「ゾーン分け」
デスク上・手の届く範囲・デスクから離れた場所の3ゾーン
効率的なデスク周りの収納術をつくるには、いきなり収納グッズを買うのではなく、まずは「ゾーン分け」から考えることが重要です。具体的には、座った状態で常に見えているデスク上、椅子に座ったまま手が届く範囲、立ち上がって取りに行くデスクから離れた場所の三つに分け、それぞれのゾーンにどんなモノを置くかを決めます。
デスク上には、本当に今使っているモノだけを置くのが理想です。手の届く範囲には、1日に何度か使う文房具や書類、ガジェット類を。デスクから離れた場所には、予備のストックや頻度の低い資料などをまとめて収納します。この三つのゾーンを意識するだけでも、デスク周りの収納術は格段に機能しやすくなります。
「今使う」「毎日使う」「たまに使う」でモノを仕分ける
ゾーン分けを実際のデスク周りに落とし込むためには、「今使う」「毎日使う」「たまに使う」という時間軸でモノを仕分けると分かりやすくなります。例えば、今取りかかっている案件の資料はデスク上、毎日使う手帳や電卓は手の届く引き出し、たまにしか見ない過去の資料はデスク脇の棚、といったイメージです。
この仕分けを行うと、「そもそも今のデスク上に置く必要がないモノ」が浮かび上がってきます。デスク周りの収納術は、収納を増やすだけでなく、「今の作業に関係のないモノを遠ざけること」でもあります。仕分けの目安として、一度も使っていないモノを1か月単位、3か月単位で見直していく習慣をつくると、自然とデスク上のモノが絞られていきます。
紙・文房具・ガジェット・雑貨の「カテゴリー」を決める
ゾーン分けと同時に、モノをカテゴリーで整理することも、デスク周りの収納術では欠かせません。具体的には、「紙類(書類・ノート・メモ)」「文房具(ペン・ハサミ・クリップなど)」「ガジェット(充電器・ケーブル・USBなど)」「雑貨(マグカップ・目薬・ハンドクリームなど)」といった大きな分類を決めておくと、収納場所を決めやすくなります。
カテゴリーごとに収納場所を1か所に決めることで、「使ったら元に戻す」動作もシンプルになります。例えば、ガジェット類はすべてデスク脇の小さな引き出しに集約し、ケーブルやアダプターをそこに戻すルールにする、といった具合です。このカテゴリー設計があいまいだと、同じ種類のモノがデスク周りのあちこちに散らばり、片づけの手間が増えてしまいます。
デスク周りの収納術で使いやすいアイテムと選び方
机上ラック・モニタースタンドで「上」を活用する
デスク周りの収納術で効果的なのが、「縦方向のスペース」を活用することです。机上ラックやモニタースタンドを使うことで、モニターの下にキーボードやノートを収納したり、ラックの上段に書類トレーを置いたりと、限られたスペースを有効活用できます。
特に、デスクが狭い場合や、ノートパソコンと外部モニターを併用している場合は、モニタースタンドがあるだけでデスク周りの収納レイアウトが大きく変わります。スタンドの下に日常的によく使う道具をまとめておくことで、視界からは消しつつ、必要なときにすぐ取り出せる状態をつくれます。
引き出しトレー・仕切りで「入れるだけ収納」を防ぐ
引き出しはデスク周りの収納術において重要な役割を果たしますが、「とりあえず何でも放り込む場所」になってしまうと、片づけてもすぐに散らかる原因になります。そこで活用したいのが、引き出しトレーや仕切りです。トレーを使って文房具やガジェット類の定位置を分けることで、「どこに何があるか」が一目で分かるようになります。
ポイントは、「ざっくりとした区切り」にとどめることです。細かく分けすぎると、片づけのハードルが上がり、続かなくなります。「ペンとハサミ」「クリップと付箋」「ケーブルと充電器」といった程度のグルーピングから始めると、自然な形で引き出し収納が整っていきます。
ファイルボックス・書類トレーで「紙の住所」を決める
書類や紙類は、デスク周りの収納を散らかす大きな原因の一つです。そこで役立つのが、ファイルボックスや書類トレーです。ポイントは、「進行中の書類」「保管しておく書類」「すぐに処分する紙」といった状態別に置き場所を分けることです。
例えば、進行中の案件や今週中に使う書類はデスク上のトレーに集約し、保管しておく書類はデスク脇のファイルボックスへ、領収書や不要な紙類はシュレッダー用の一時置きボックスへ、といった具合に動線をつくると、紙がデスク上にたまり続けることを防ぎやすくなります。
ここで、デスク周りの収納術でよく使われる代表的なアイテムのメリットと注意点を整理しておきます。
| 収納アイテム | 主なメリット | 注意点・デメリット |
|---|---|---|
| 机上ラック・モニタースタンド | 縦空間を活用でき、モニターの高さ調整も兼ねられる。 | 高さが合わないと圧迫感が出る。置きすぎると上も下も散らかりやすい。 |
| 引き出しトレー・仕切り | 引き出し内の定位置が決まり、必要なモノを探しやすくなる。 | 細かく分けすぎると片づけが面倒になり、使われなくなる。 |
| ファイルボックス・書類トレー | 紙類を立てて保管でき、案件ごとに分類しやすい。 | ボックスを増やしすぎると全体量が把握しづらくなる。 |
| 小物トレー・ペンスタンド | よく使う文房具や雑貨を「見える収納」でまとめられる。 | 置きっぱなしのモノが増え、トレー自体がごちゃつくことがある。 |
この表を参考に、自分のデスク周りにはどの収納アイテムが必要か、あるいは不要かをイメージしてみてください。大切なのは、アイテムを増やすことではなく、「自分の作業スタイルに合った最低限の道具で運用できる状態」を目指すことです。
デスク周りの収納術で意識したいNGパターンと改善策
「収納グッズだけ先に買ってしまう」パターン
デスク周りの収納術でよくあるNGパターンが、先に収納グッズだけを買い足してしまうことです。SNSや通販サイトで見かけた便利そうなアイテムを衝動的に購入すると、一時的にはスッキリしても、実際の動線やモノの量と合わず、使われないままデスク周りを圧迫してしまうことがあります。
改善策としては、まず「今あるモノの棚卸し」と「ゾーン分け」を先に行い、それでも不足している収納スペースを補う形で収納グッズを選ぶ流れが有効です。収納術は、道具選びよりも前に「設計」が大切だと意識しておくと、無駄な買い物を減らせます。
「全部をデスク上で完結させようとする」パターン
二つ目のNGパターンは、デスクの上だけで全てを完結させようとするケースです。ペン立て、書類トレー、小物トレー、ガジェット置き場など、すべてをデスク上に配置すると、視界の情報量が増えすぎて、かえって集中しづらくなります。
これを避けるには、「デスク上には常に10〜15個程度までしかモノを出さない」といったゆるい目安を決め、その他のモノは手の届く収納やデスクから離れた棚に移すルールをつくると効果的です。デスク周りの収納術では、「何を置くか」と同じくらい「何を置かないか」を決めることが重要です。
「分類基準があいまいで、戻す場所が分からない」パターン
三つ目のNGパターンは、分類基準があいまいで、モノの「住所」が曖昧なケースです。「とりあえず文房具の引き出し」「とりあえず雑貨入れ」のように、カテゴリがはっきりしない収納は、使うたびに迷いが生まれ、戻すのが面倒に感じてしまいます。
改善のコツは、「自分が自然に頭の中で分けている分類」をそのまま収納に落とし込むことです。例えば、「仕事用の文房具」と「プライベートで使う文房具」を分けたい人もいれば、「色ペン」と「黒ペン」で分けたい人もいます。正解は一つではないので、自分にとって分かりやすい基準を見つけることが、デスク周りの収納術を成功させる近道です。
ここで、デスク周りの収納術における代表的なNG行動と、その代わりに取り入れたい行動を整理します。
| よくあるNG行動 | おすすめの代替行動 |
|---|---|
| デスクが散らかっている状態のまま、新しい収納グッズを買い足す | まずは不要な紙・使っていない小物を減らし、残ったモノに合わせて収納グッズを選ぶ |
| 「とりあえず引き出しに押し込む」習慣のまま使い続ける | 引き出し内を大まかなトレーで区切り、「紙」「文房具」「ガジェット」などのゾーンを決める |
| 週末にまとめて片づけようとして、平日に何も片づけない | 毎日1分だけ、作業の終わりに「今日のモノを元の場所に戻す」時間を作る |
この表を参考に、自分がどのNG行動にはまりやすいかをチェックし、右側の代替行動から一つだけ選んで試してみてください。一度にすべてを変える必要はなく、少しずつ置き換えていくほうが、デスク周りの収納術は長続きしやすくなります。
今日から始めるデスク周りの収納術ルーティン
「1日1分のリセット時間」をデスクで習慣化する
デスク周りの収納術を持続させるには、片づけを特別なイベントにしないことが重要です。そのためのシンプルな方法が、「1日1分のリセット時間」を習慣にすることです。仕事や勉強の終わり、パソコンをシャットダウンするタイミングで、デスク上に出ているモノをそれぞれの「住所」に戻す時間を1分だけ確保します。
この1分リセットの目的は、「常に完璧な状態にすること」ではなく、「明日の自分がスムーズに作業を始められる状態」に整えることです。今日使ったペンを戻す、出しっぱなしの書類をトレーに戻す、マグカップをキッチンに持っていくなど、小さな動作が積み重なることで、デスク周りが大きく散らかる前にリセットできるようになります。
週1回の「紙と小物の見直し」でデスク周りを軽くする
1日1分のリセットだけではカバーしきれないのが、「いつか使うかもしれない紙」と「なんとなく置きっぱなしの小物」です。これらは放置しておくとじわじわ増えていき、気づいたときにはデスク周りを埋め尽くしていることもあります。そこで、週に1回だけ「紙と小物の見直しタイム」を設けることをおすすめします。
目安として、週末や仕事が比較的落ち着く曜日の夜などに15分程度時間を取り、デスク周りの紙類と小物をチェックします。「今後も必要なもの」「しばらく保管したいもの」「処分してよいもの」に分けて、保管すべきものはファイルボックスや引き出しへ、処分するものはその場で手放します。この15分の積み重ねが、デスク周りの収納術を無理なく維持する土台になります。
月1回は「写真に撮って客観視」してみる
デスク周りの状態は、毎日見ていると変化に気づきにくくなります。そこでおすすめなのが、月に1回、デスク周りの写真を撮って客観的に見てみる方法です。写真で見ると、ケーブルのごちゃつきや収納ボックスの増えすぎ、紙の積み上がり具合など、普段は見過ごしていたポイントに気づきやすくなります。
写真を「ビフォー・アフター」のように保存しておくと、デスク周りの収納術が少しずつ上達している実感も得やすくなります。「今月は紙の山が減った」「来月はケーブル周りをもう少し整えよう」といった小さな目標を立てることで、モチベーションを保ちやすくなります。
専門機関への相談を検討したい目安
片づけようとしても手が止まり、強い疲労感や無力感が続く場合
デスク周りの収納術を試しても、「片づけを始めようとすると強い疲労感や無力感に襲われる」「何度も片づけを先延ばしにしてしまい、生活や仕事に支障が出ている」といった状態が続く場合、単なる片づけのコツだけでは対処が難しいこともあります。心身の不調やストレスが背景にあると、片づけのハードルが大きく高まることがあるからです。
もし、日常生活全般においてもやる気が出ない、何をしても楽しく感じられないといった状態が数週間以上続いている場合は、心療内科や精神科、カウンセリング窓口など、専門家に相談することを検討してみてください。早めの相談が、症状の悪化を防ぐ助けになることもあります。
片づけの苦手さが子どものころから続き、大きな困りごとになっている場合
片づけが苦手な傾向自体は、多くの人に共通する悩みです。ただし、「子どものころから片づけで強く怒られてきた」「指示があっても片づけの手順が分からない」「仕事や学業に支障が出るほど片づけられない」といったケースでは、発達特性や認知のクセが関係している可能性も否定できません。
こうした場合は、自分を責め続けるよりも、発達障害の診療に対応している医療機関や、公的な相談窓口、支援団体などに相談し、「自分に合った片づけの仕組みづくり」について専門家と一緒に考えることが有効です。この記事はあくまで一般的な収納術の情報であり、個々の事情に合わせた専門的な支援の代わりにはならない点をご理解ください。
片づけを巡って家族間のトラブルや強いストレスが生じている場合
デスク周りの散らかりがきっかけで、家族やパートナーとのトラブルが増えている場合も、専門的なサポートを検討する目安になります。価値観や片づけの基準の違いから、繰り返し衝突が起きると、関係性そのものが疲弊してしまうことがあります。
このような場合は、家族カウンセリングや夫婦カウンセリング、地域の相談窓口などを利用し、第三者を交えてコミュニケーションの整理を図ることも選択肢の一つです。片づけそのものよりも、「片づけを巡る対立」が大きなストレスになっていると感じるときは、一人で抱え込まずに相談の場を検討してみてください。
よくある質問(Q&A)
Q1. デスク周りの収納術を一気に整えたいのですが、どこから手をつければいいですか?
A1. 一気に全てを片づけようとすると、時間もエネルギーも多く必要になり、途中で挫折しやすくなります。まずは「デスクの上だけ」「紙類だけ」など、範囲を絞ることをおすすめします。特に、デスク上の紙と小物を一度すべて退避させ、「今使うもの」だけを戻す方法は、効果を実感しやすいスタート地点です。
Q2. 収納グッズを買うときの優先順位はありますか?
A2. 最初から多くの収納グッズをそろえるのではなく、「書類を立ててしまうファイルボックス」「引き出し内のトレー」「よく使う文房具のペンスタンド」など、使用頻度が高い部分から整えると効果的です。そのうえで、足りない部分を補う形で机上ラックや追加のボックスを検討する流れが失敗しにくいです。
Q3. デスク周りの収納術を家族と共有したいのですが、うまく協力してもらえるか不安です。
A3. 自分一人で完璧な収納ルールを作ってしまうと、家族にとっては「押しつけ」と感じられてしまうことがあります。家族と共有する場合は、「一緒に使いやすい収納を考えたい」というスタンスで、実際の動線や困りごとを聞きながらルールを決めていくと、協力を得やすくなります。ラベルを貼るなど、誰にとっても分かりやすい工夫も役立ちます。
Q4. ミニマリストのようにモノを減らすのが良いのでしょうか?
A4. モノを減らすことは、デスク周りの収納術において一定の効果がありますが、「極端に減らすこと」だけが正解ではありません。自分にとって本当に必要なモノと、そうでないモノを見極めることが大切です。仕事や趣味に必要な道具まで手放してしまうと、かえってストレスが増えることもあるため、無理のない範囲で少しずつ見直していきましょう。
Q5. 在宅ワークと趣味の作業を同じデスクで行っています。収納をどう分ければよいですか?
A5. 仕事と趣味を同じデスクで行う場合は、「時間帯ごとにデスクの顔を変える」イメージで収納を分けるとスムーズです。例えば、仕事用の道具は机上ラックの上段と引き出しの手前側に、趣味の道具はラックの下段や引き出しの奥側にまとめるなど、ゾーンを分ける工夫が有効です。作業の切り替え時に、不要な道具を一時ボックスに避難させる方法も役立ちます。
用語解説
デスク周りの収納術
デスク上やその周辺にあるモノの量や配置を工夫し、仕事や勉強をしやすい環境に整えるための方法やテクニックの総称です。収納アイテムだけでなく、動線や習慣づくりも含めて考えます。
ゾーン分け
作業スペースを「デスク上」「手の届く範囲」「デスクから離れた場所」など、利用頻度や動線に応じて区分する考え方です。収納場所を決める際の指針になります。
机上ラック
デスクの上に置いて使う小型の棚や台のことです。モニターや書類、文房具などを上下に分けて配置し、限られたスペースを有効活用する目的で使われます。
ファイルボックス
書類やファイルを立てて収納できる箱型の収納アイテムです。案件ごとやカテゴリーごとに分けて管理しやすくなります。
ラベリング
収納ボックスや引き出しにシールやタグで名前をつけることです。「何がどこに入っているか」を視覚的に分かりやすくする効果があります。
まとめ:デスク周りの収納術は「完璧」ではなく「続けられる仕組み」を目指す
デスク周りの収納術は、雑誌やSNSで紹介されるような完璧なビフォー・アフターを実現することがゴールではありません。大切なのは、自分の仕事や勉強のスタイルに合った「続けられる仕組み」をつくることです。よく使うモノを手の届く範囲に集め、使わないモノを遠ざける。紙・文房具・ガジェットなどを大まかなカテゴリーに分け、それぞれの住所を決める。こうした一つひとつの工夫が、集中しやすいデスク周りを形作っていきます。
全部を完璧に片づけようとしなくて大丈夫です。「今日はデスクの上だけ整える」「今週は紙類だけ見直す」など、小さなステップから始めてみてください。少しずつでも前に進んでいけば、数週間から数か月のうちに、「以前よりも仕事や勉強に集中しやすくなった」「必要なモノがすぐ見つかるようになった」と実感できるはずです。デスク周りの収納術を、自分の生活やキャリアを支える心強い味方として、無理のないペースで取り入れていきましょう。

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