デスクに置かないもの一覧|集中力と生産性を落とさないための実践ガイド

仕事や勉強を始めようとしてデスクに向かったのに、なんとなくやる気が出ない、集中できないまま時間だけが過ぎてしまう。そんなとき、見落とされがちなのが「デスクに置いているもの」です。片づいているつもりでも、視界に入る物が多かったり、感情を揺らすアイテムが並んでいたりすると、脳は常に余計な情報処理を強いられ、集中力がじわじわと削られていきます。

この記事では、「デスクに置かないもの一覧」という切り口から、集中しやすい作業環境をつくるための考え方と具体的な片づけの基準をまとめます。ただの「片づけ術」ではなく、脳科学や行動のクセにも触れながら、実践しやすいルールに噛み砕いてお伝えします。

この記事は、在宅ワーク歴10年以上・執筆業と資料作成を日常的に行うライターが、自身の試行錯誤と一般的に知られている環境整備の知見に基づき、一般的な情報として解説しています。医療・治療・カウンセリングなどの専門的な助言を行うものではありません。

先にこの記事の結論をまとめると、ポイントは次の3つです。

① デスクには「今やる仕事」に直接必要なものだけを置く(それ以外は一時置きか収納へ避難)
② 感情を強く揺らす物・通知を運んでくる物・食べ物飲み物のストックはデスクから離す
③ 「置かないもの一覧」を自分用にカスタマイズし、毎日のリセットルーティンに組み込む

この3つをベースに、具体的にどんな物をデスクに置かない方がいいのか、代わりにどこへ・どう収納するとラクなのかを詳しく解説していきます。

目次

デスクに置かないもの一覧の考え方を整理する

なぜ「置くもの」より「置かないもの」を決める方がラクなのか

まず押さえておきたいのが、「何を置くか」より「何を置かないか」を決めた方が、運用がラクになるという点です。「置いてもいい物」を考え始めると、例外がどんどん増えていき、気づけば元どおり散らかったデスクに戻ってしまいます。

一方で、あらかじめ「デスクには絶対に置かないもの一覧」を決めてしまえば、判断がとてもシンプルになります。例えば「お菓子類はデスクに置かない」「紙の郵便物は一度デスクに載せたら、1日の終わりには必ず仕分けする」などです。迷ったら一覧を思い出し、「これは“置かないもの”だっけ?」と自分に問うだけで、余計なモノが増えにくくなります。

集中力を下げる「視覚ノイズ」とは何か

デスクに置かないもの一覧を考えるうえで、キーワードになるのが「視覚ノイズ」です。視覚ノイズとは、作業と関係がないのに視界に入ることで、脳の処理能力を少しずつ奪っていく情報のことです。

例えば、書類の山、読みかけの本、開きっぱなしのスマホアプリ、飾りとして置いているフィギュアや写真立てなど。どれも一見すると大きな問題には見えませんが、人間の脳は目に入ったものを「無視しよう」とするだけでもエネルギーを使います。その結果、集中力が長く続きにくくなるのです。

「用途」と「感情」でデスクに置かないものを分類する

デスクに置かないものをリストアップするときは、単純に物の種類で分けるより、「用途」と「感情」の2軸で考えると整理しやすくなります。

用途の軸では「今の作業に必要かどうか」を基準にします。感情の軸では「見るたびに気が散る・イライラする・不安になる・気分が大きく揺れるか」を目安にします。この2つの観点から見直すと、意外な物が“デスクに置かないリスト入り候補”として浮かび上がってきます。

デスクに置かないもの一覧|代表的なカテゴリーと理由

スマホとタブレット|通知の塊は視界から外す

多くの人にとって、真っ先にデスクに置かないもの一覧に加えたいのが「スマホ」です。スマホは、通知・SNS・ニュース・ゲームなど、あらゆる誘惑への入り口になっています。画面が下向きであっても、そこにあるだけで「誰かからメッセージが来ているかも」という意識が働きます。

仕事中は、スマホは「着信音・バイブを切った状態で、引き出しやカバンに入れる」ことを基本ルールにするのがおすすめです。どうしても連絡を待っている時間帯だけは、30〜60分に一度だけチェックする、といった形で、自分なりの例外ルールを決めると運用しやすくなります。

お菓子・飲み物のストック|「つい手が伸びる」を防ぐ

次に検討したいのが、お菓子や飲み物のストックをデスクに置かないというルールです。小さな袋入りお菓子や常温保存できる飲み物をまとめて置いておくと、ちょっと集中が切れた瞬間に、無意識のうちに手が伸びます。

おやつや飲み物自体を完全に禁止する必要はありません。ただし、デスク作業と一体化させず、「立ち上がってキッチンや棚まで取りに行く」というワンクッションを入れるだけで、ダラダラ食べ続けるリスクを減らせます。

過去の書類・読み終えた資料|「決めきれない山」を作らない

山積みになりがちなのが、「すでに使い終わった書類や資料」です。「また見返すかもしれない」「念のため取っておきたい」という気持ちでデスクに残し続けると、紙の山を見るたびに「あれも片づけないとな」と頭の片隅でタスクが増えます。

書類は、最低限のルールとして「今進行中の案件の分だけをデスク上に置く」と決めておくとシンプルです。それ以外は、案件別のファイルボックスやキャビネットに移し、必要なときにだけ取り出します。

デスクに置かないもの一覧と代替行動の比較

ここでは、代表的な「デスクに置かないもの」と、その代わりにどうすればよいかを表にまとめます。表を見るときは、「自分のデスクにあるか」「どこへ移動させればラクか」という視点でチェックしてみてください。

デスクに置かないものなぜ置かない方がよいか代替行動・置き場の例
スマホ・私用タブレット通知や連想で注意がそれやすく、手持ち無沙汰になるとすぐ触ってしまうため着信音・バイブをオフにして、引き出しやかばんに収納。30〜60分ごとに「立って取りに行く」タイミングだけチェックする。
お菓子・軽食のストック「ながら食べ」が増え、だらだら作業や無自覚なカロリーオーバーにつながりやすいキッチンや別の棚に置き、休憩時間に席を離れて食べる。1回に食べる分だけを小皿に出して持ち込む。
完了した書類・伝票「片づけなきゃ」という未完了感を生み、視界を散らかす案件別ファイルや日付順のボックスに移動し、「週1回まとめて見直す」時間をカレンダーに入れておく。
郵便物・封筒開封前後のどちらにせよ、決断を先送りしているタスクの塊になりがち玄関近くなどに「郵便トレイ」を用意し、1日1回だけまとめて開封・仕分けをする。
趣味グッズ・ガジェット視界に入るたびに「あとで〇〇しよう」と連想が広がりやすい趣味専用の棚やコーナーを作り、仕事時間帯は見えない位置に置く。

この表は、あくまで一例です。ご自身のデスクに合わせて「よく手が伸びてしまう物」「視界に入ると気になる物」を書き足し、自分オリジナルのデスクに置かないもの一覧として更新していくと、より効果が高まります。

感情を揺らす「置かない方がいいもの」を見直す

思い出グッズ・写真立ては「見せる場所」を分ける

家族写真や思い出の品は、心を支えてくれる大切な存在です。しかし、作業中のデスクに常に置いておくと、感情が大きく揺れやすくなることもあります。楽しい記憶だけでなく、「あのときもっと頑張れたはず」という後悔や、「この人のためにちゃんとしなきゃ」というプレッシャーが無意識の負荷になることもあるからです。

完全に片づける必要はありませんが、仕事中の視界に入らない位置に移す、もしくは「感情を整えたいときにだけ見る場所」をつくるのがおすすめです。例えば、本棚の一角やリビングの飾り棚に写真スペースを設け、仕事前後のタイミングで眺めるなど、オンオフを切り替えられる配置を意識します。

未完了タスクのメモ・書きかけノートの扱い

付箋やメモ帳、書きかけのノートも、デスクに置きっぱなしにしておくと雑念のもとになります。「これもやらなきゃ」「あれも放置していた」という気持ちが積み重なり、目の前の作業への集中を妨げます。

未完了タスクのメモは、「タスクボード」や「1日のタスクリスト」など、場所をひとつにまとめるルールを作るとスッキリします。今日やること・今週中にやることを1枚の紙やツールに集約し、デスク上には「今日の最重要タスク」に関係するメモだけを置くようにします。

ネガティブな感情を連想させるものは距離を置く

仕事でのトラブルに関係する書類、契約や支払に関する封筒、期限ギリギリの書類など、見るだけで胃がキリキリするような物も、可能な限りデスクからは離しておきたいアイテムです。

もちろん、これらのタスクから逃げ続けるのはおすすめできません。ただし、取り組む時間をあらかじめ決め、その時間だけデスクに出すというルールにすると、「いつも目に入っているのに手をつけていない」という罪悪感から解放されます。

時間帯別に見直す「デスクに置かないもの一覧」

朝一番のデスクに置かないもの

朝一番は、多くの人にとって頭が比較的すっきりしている時間帯です。この時間を最大限に活かすには、デスクには「最重要タスク」に必要なものだけを置くのが理想です。

具体的には、パソコン、今日使うノートまたは資料、ペン1本程度に絞り、それ以外のものは一時的に引き出しや棚に避難させます。朝のメールチェックやチャット確認も、必要がなければ後回しにし、まずは「今日一番大事な仕事」から取りかかれるように環境を組み立てます。

午後の集中タイムに遠ざけたいもの

午後は眠気や疲れが出やすく、集中力が落ち込みやすい時間帯です。この時間帯こそ、「なんとなく眺めてしまうもの」「無意識に手が伸びるもの」をデスクに置かない工夫が重要になります。

例えば、スマホ、SNSが開きっぱなしのタブレット、漫画や雑誌、趣味の本などは、午後の集中タイムには物理的に手が届かない場所に置いておくと安心です。眠気覚ましのコーヒーは1杯までと決め、それ以上は立ち上がってお茶や水を取りに行くなど、行動の区切りを意識します。

夜の片づけタイムで「置かないもの一覧」を再確認する

1日の最後には、「明日の自分が気持ちよく座れるデスク」を作る意識で片づけをします。このとき、「デスクに置かないもの一覧」を見ながら、デスクに残しておく物を厳選していきます。

今日使った資料のうち、明日も使うものだけを残し、それ以外はファイルや棚へ戻します。飲み物のマグカップやお皿はシンクへ、ゴミはゴミ箱へ。スマホやイヤホンなども、デスクではなく決めた定位置へ戻します。毎晩5〜10分でも続けることで、翌朝のスタートが格段にスムーズになります。

タイプ別|デスクに置かないものと工夫のポイント

人によって、ついデスクに置きがちな物や、誘惑の強さは異なります。ここでは、ざっくりとしたタイプ別に「特に意識したいデスクに置かないもの」と、その代替案をまとめます。

タイプ置かない方がよいものおすすめの工夫
片づけが苦手な人空き箱、届いたままの段ボール、不要になった文房具段ボールはその日のうちに解体する「段ボールの日没ルール」を決める。文房具はトレー1つぶんを上限にする。
スマホ依存が気になる人充電コードをつないだままのスマホ、常に開きっぱなしのチャットアプリ充電スポットをデスクから離れた場所に移す。連絡用と娯楽用でアプリの通知設定を分ける。
完璧主義タイプ複数のプロジェクト資料、長期タスクのメモを全部机に広げること「今日やる案件は最大2つまで」など、デスクに出すプロジェクト数を決める。残りはタスク管理ツールに集約。
在宅ワーカー・フリーランス家事のメモ、買い物リスト、子どものプリント家事・家族用の掲示スペースを別に作り、仕事中は視界に入らないようにする。

このように、自分がどのタイプに近いかを俯瞰してみると、「何を優先的にデスクから減らせばいいか」が見えやすくなります。

デスクに置かないもの一覧を運用するための習慣づくり

「置かないルール」を紙1枚にまとめて貼っておく

デスクに置かないもの一覧は、頭の中だけで覚えようとすると、忙しい日ほど忘れてしまいます。そこでおすすめなのが、「デスクに置かないものTOP5」などを紙1枚にまとめて、モニターの横や引き出しの中に貼っておくことです。

例えば、「スマホ」「お菓子の袋」「完了した書類」「郵便物」「趣味グッズ」のように、自分にとって影響が大きいものから優先してリスト化します。片づけの度にこのリストを見返すことで、「なんとなく置いてしまう」クセを少しずつ減らしていけます。

毎日の「デスクリセットタイム」を決める

デスクに置かないもの一覧を活かすには、1日のどこかに「リセットタイム」を固定すると効果的です。おすすめは、仕事を終える直前の5〜10分を「デスク整えタイム」としてスケジュールに入れてしまうことです。

この時間に、「デスクに置かないもの一覧」に沿って、余計なものを定位置に戻します。慣れてくると、片づけにかかる時間はどんどん短くなり、明日のスタートが驚くほど軽くなります。

週1回は「置かないもの一覧」を見直す

生活や仕事の状況が変わると、「ついデスクに増えがちなもの」も変化します。そのため、週に1回ほど「置かないもの一覧」を見直す時間をとるのがおすすめです。

週末や比較的ゆとりがある時間に、「最近よくデスクに出しっぱなしになっているものは何か」「逆に、あまり気にならなくなったものは何か」を振り返りながら、一覧に1〜2個ずつ項目を足したり入れ替えたりしていきます。こうして少しずつカスタマイズされていったリストは、自分専用の強力な集中サポートツールになります。

専門機関への相談を検討したい目安

ここまで、デスクに置かないもの一覧を活用して、集中しやすい環境を整える方法をお伝えしてきました。ただし、中には環境を整えてもなかなか集中できないケースや、片づけを試みても強いストレスや不安を感じてしまうケースもあります。

次のような状態が続く場合は、無理に一人で抱え込まず、医療機関や専門家への相談を検討してみてください。

・十分に睡眠をとっても、集中力の低下や強い疲労感が数週間以上続いている
・片づけや整理をしようとすると、強い不安や罪悪感がわいて動けなくなる
・仕事や家事、学業に支障が出るほど、注意力の散漫さや忘れ物が頻発している
・物を捨てたり手放したりすることに強い抵抗があり、生活空間が圧迫されている

この記事の内容は、あくまで一般的な情報提供であり、診断や治療を行うものではありません。ご自身の体調や心の状態に不安がある場合は、医師や公的相談窓口、心理職などの専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

Q1. デスクに何も置かないと、逆に味気なくてやる気が出ません。

A. 完全に何も置かない「無機質なデスク」にする必要はありません。大切なのは、「今の作業に関係があるか」「気持ちを前向きにしてくれるか」という2つの基準です。観葉植物や小さなアロマなど、視界を邪魔しない範囲で「落ち着くアイテム」を1〜2個だけ置くと、ほどよく気分転換ができます。

Q2. スマホをデスクから離すと、連絡に気づかないのが不安です。

A. 仕事上どうしても連絡を待たなければならない場合は、「通知を許可する相手・アプリを絞る」方法がおすすめです。緊急連絡が来る可能性が高い相手だけ通知をオンにし、それ以外はオフにします。また、30分〜1時間おきにスマホをチェックする「時間を決めた確認」を取り入れると、常にスマホに意識を向けなくても安心しやすくなります。

Q3. 家が狭く、デスクに物を置かないようにすると収納場所が足りません。

A. この場合は、「デスクの真上」と「足元周り」の活用を検討してみてください。壁にウォールシェルフをつけて書類や本を収納したり、キャスター付きのワゴンをデスク横に置いて、使うときだけ引き寄せる方法があります。ポイントは、「デスク上に“常駐させない”」ことであり、収納場所は必ずしも遠くでなくて構いません。

Q4. デスクに置かないもの一覧を家族にも守ってもらうには?

A. 家族と共有するときは、「これを守ってほしい」ではなく「こうすると皆がラクになる」という視点で伝えると協力を得やすくなります。「ここは仕事専用スペースにしたいから、このエリアだけは私物を置かないでほしい」と具体的に範囲を区切り、代わりに家族用の共有スペースを用意するなど、バランスを取りながら進めるとよいでしょう。

用語解説

視覚ノイズ:作業とは直接関係がないのに、視界に入ることで脳の処理負荷を高めてしまう情報のこと。散らかった物や、画面上の不要なアイコンなども含まれる。

未完了タスク:まだ終わっていない用事や仕事のこと。頭の片隅に「やらなきゃ」と残り続けるため、ストレスや集中力低下の原因になりやすい。

リセットタイム:1日の終わりや区切りのタイミングで、デスクや作業環境を整え直す時間のこと。習慣化すると、翌日のスタートがスムーズになる。

タスクボード:やるべきことを書き出し、一覧で管理するためのボードやシートのこと。紙でもデジタルツールでもよく、「見える化」によって頭の中を整理しやすくする役割がある。

まとめ|「デスクに置かないもの一覧」で、集中しやすい自分をつくる

デスク環境は、性格や仕事のスタイルによって正解が変わりますが、共通して言えるのは、「視界に入るものが少ないほど、集中しやすくなる」ということです。そのための一歩として、まずは自分なりの「デスクに置かないもの一覧」をつくり、毎日のリセットタイムで見直す習慣を取り入れてみてください。

いきなり完璧を目指す必要はありません。今日できるのは、例えば「スマホを引き出しに入れてみる」「完了した書類だけでもファイルに戻す」といった、小さな一歩かもしれません。それでも、その一歩が積み重なることで、数週間後には驚くほどすっきりしたデスクと、以前よりも集中しやすい自分に気づくはずです。

全部を一度に変えようとせず、まずは「これだけはデスクに置かない」と決めるものを1〜2個選ぶところから始めてみてください。小さな変化が、仕事や勉強の質を静かに底上げしてくれます。

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